カーネギーホール 第九 テノールソロ  

情熱の声楽家 星洋二

トップページ
連絡先
プロフィール
もっとよく知りたい方へ
演奏歴
お知らせ
 
 主な音楽関係批評 
〜感動的だった星洋二のヴェルデイ「オテッロ」での演唱〜
■東京都民オペラ・ソサイエティ「オテッロ」(9月30日ゆうぽうと簡易保険ホール)
 前回「トスカ」の公演を見に行ってプログラムに次回公演予告「オテッロ」と書いてあるのを見て目を疑い,期待より不安の方が大きかったのだが,星洋二のオテッロは掛け値なしに,見事な歌と演技だった。日本人でこんな立派なオテッロが聞けるとは! うれしい誤算,それ以上の収穫だった。もともと星の中高音は,独特のセクシーさがあって,適度の甘さと力強さが混在している魅力的な響きを持っている。
 オテッロのためにヴェルディが与えた音符は,星の得意な音域が最大限に生かされたものだったことが分かった。アクティング・ロールの極地であるオテッロは星の舞台人としての資質が映える当たり役になるだろう。
 「カッシオ」の言葉が出たときにビクっと反応するタイミングのセンスの良さも抜群。嫉妬に自滅していく自然さに思わず引き込まれていく。このような名演技が1回しか見られないなんて勿体ない。是非再演して多くの方に鑑賞して頂きたい。
 去年の 「トゥーランドット」のカラフと並ぶ星の代表的舞台となった。


「ジャパニーズ・タンホイザー」星洋二の絶唱
 東京都民オペラ・ソサイエティ公演「タンホイザー」(9月15日新宿文化センター大ホール)
 〜2日目のタイトルロールは、すでに二期会のドレスデン版で経験のある星洋二。声、表現、容姿、演技、いずれをとっても抜群の素晴らしさで、「ローマ語り」など、めったに聴けないほどの絶唱だった。〜




情熱のひと 星 洋二
       次の記事でさらにプライベートなことが解明されます。
地元 広報「かしわ」掲載記事
        平成16年 (2004年)10月15日付け
 〜〜 人との出会いを逃さない 〜〜
「娯楽といったら音楽でした。」 父親もオペラ歌手で,福島県会津市にいながら日本はもちろん,ロシアなどから来る公演に必ず連れていってくれた。
 小学生の時は,合唱部,中学校ではバンド部,高校ではまた合唱部に入った。歌の道に進もうと決めたのは高校1年のとき。会津での公演に出演した歌手の歌声に感動し,ロビーで待ち伏せをした。「弟子にしてください。」と頭を下げ,日曜日に会津から5時間かけて東京までレッスンに通う生活が始まった。この人だと思ったら,地の果てまで追いかけていくような情熱的な人だ。〈中略〉
 音大の大学院を修了した後,イタリアへ留学。誰に教えてもらおうかと公演を見て回り,アルド・プロッティの歌声を聴いた時,胸をボンとつかれたような衝撃を受けた。「この人しかいない」。本場のオペラを学んで,弟子のあかしともいってもいい9人目のディプロマをもらい帰国。記念のメダルは自分が作った額に飾ってある。
 以前は,公演の前にはステーキを食べてスタミナをつける等食事に気を付けていたが,「子どもが生まれてからは何でも食べます」と笑う顔に子どもとの生活を楽しむ姿がうかがえる。
 オペラとは「すべての芸術が融合した最高の舞台」。そこに立つと「歌っていたよかったと感じる瞬間」が味わえる。夢はプロッティのように「70,80歳になっても迫力ある歌声を響かせる」こと。目指すは生涯現役だ。
 
      柏市在住。妻と息子の4人家族






星洋二をもっとよく知りたい方へ
大学入学まで
 
 会津若松市出身。音楽教師(元藤原歌劇団員)の父と美術教師の母の間に生まれる。
小学校低学年までは,ボーイソプラノ,音楽の授業ではよく一人で歌わされた。
 
中学校ではブラスバンドに夢中,3年間ドラムを叩きに通学。
 
高校では男声コーラスで活躍,3年の時「ゆうやけの歌」(湯山あきら)のテノールソロを歌い,全国優勝を果たす。高校1年の時,歌とパーカッションのどちらで音楽大学を受験するか迷い,とりあえず太鼓で夏期講習を受講,大学の練習室で一人太鼓を叩くことにつまらなさを感じ,声楽専攻を決意。その年の冬,地元会津の「第九」に合唱で参加,ソリストの高橋啓三氏の声に惚れ込み,
ホテルのロビーで待ち受け弟子入りをする。
 
 大学入学以降
 
東京芸術大学,同大学院を修了。院の2年時,大学定期オペラ「ドン・ジョヴァンニ」にオッターヴイオ役で出演。
 
 イタリア留学
画廊でアルバイト,額を組んだり,絵と額のコーディネート等の仕事をしながらレッスンに通い,留学の費用を貯める。イタリアに留学,アルド・プロッティに師事,ディプロマと同師のサインが刻印されたゴールドメダルを授与される。
 
  




帰国後
              ゛
 
ロッシーニ「オテロ」のオテロ役でデビュー,以後,アルフレード,ロメオ,カヴァラドッシ,ロドルフォ,ホセ役等を演じ,ジローオペラ賞新人賞を受賞。二期会には,会員試験で入会 ,「学生王子」のタイトルロールでデビュー(青島広志と初共演),以後,同氏とは様々なステージで共演。氏作曲のオペラ「龍の雨」にテンジュ役で出演。
 
再びイタリアへ                         
                
平成8年度文化庁派遣芸術家として,再びイタリアへ渡る。フランコ・コレルリに師事。在伊中も,ミラノを中心に,各地でのコンサートに出演。ニューヨークのカーネギーホールにも出演。
  
そして帰国
 
二期会,新国立劇場,東京オペラソサイエティ,東京オペラプロデュース,日生劇場をはじめ、様々な公演に主役出演し、タンホイザー,オテロ,ポリオーネ,マンリーコ他,数々の難役を好演、いずれも高い評価を得ている。
 
東京音楽大学の准教授として、後進の指導にあたるほか、学生支援課長を兼任している。二人の息子の父である。